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【Wローズ】六日目 夕《気づき歌》【ソロプレイ14】
『はやぶさ』やら『カーネーション』が一段落して、舞い戻ってきますた。
しかし仕事が増えたのであんまり落ち着きません\(^o^)/

ペースは上がらないけど、とりあえず続けて行きます。
今は、起承転結の『転』に入ったあたりかと(たぶん)

はやく神託の魔法風景仕上げたいじぇw

※これまでの展開
・キャラシート:[でたらめの海賊]ヴェイセル
・キャラメイク
・オープニング【ソロプレイ01】
・一日目 昼/夕【ソロプレイ02】
・一日目 夜[虫の知らせ⇒神託の魔法風景]【ソロプレイ03】
・一日目 夜[変異混成]【ソロプレイ04】
・二日目 朝〜夜【ソロプレイ05】
・三日目 朝[反発的存在との交流]【ソロプレイ06】
・ちょっとまとめ
・三日目 昼〜夕[反発的存在との交流]【ソロプレイ07】
・三日目 夜『語り』【ソロプレイ08】
・三日目 夜[変異混成]【ソロプレイ09】
・四日目 朝[反発的存在との遭遇]と『語り』【ソロプレイ10】
・四日目 昼/夕/夜 【ソロプレイ11】
・五日目 朝/昼/夕/夜【ソロプレイ12】
・六日目 朝/昼【ソロプレイ13】




↓↓↓
■六日目 夕 《気づき歌》を歌う
・気づき歌(合唱):腰つきの《冷笑》を取り除く
 必要数値は10⇒ヴェイセル:スペード8、ヘルガ:ダイヤ7 結果:失敗

【語り】
魔女の家は、一本の巨木をそのまま柱として建てられていた。

中に入ると、つんと鼻にくる薬草の香り、薄暗い仕切りの無い一間。そこに本棚やら暖炉やらたくさんの壷が並べられている。

その奥に扉がひとつ。ばーさんの部屋だろうか。

板張りの床のど真ん中からあの巨木の太い幹が生え、屋根の隙間から青々とした緑が豊かに覗いていた。

壁一面には、さまざまな薬草がかけられている。
俺の鼻をついたのは、これらの香りが入り混じったものだろう。

促されるまま、俺はテーブルに就く。
ゴードンちの黒光りする立派なものと違って、使い込まれて擦り切れている。

ばーさんは年寄りとは思えない、きびきびした動きで窓の戸板を開ける。
部屋の中に差し込む光が、壁の薬草を柔らかく照らしあげた。

ばーさんの出してくれたシチューは紫色で一瞬唸ったが、紫芋を煮つぶしてとろみをつけたもので、外見に反してうまいものだった。

うまい料理を口にすると、自然に動きも滑らかになる。

「さて、改めて名を聞こうかね」
「ん? ああ、すまなかった。俺はヴェイセル。ばーさんは…ヘルガだろう?」

「ああ、そうさ。私はヘルガ。訳あってこの森に住むものさ。――そうかいそうかい、あんた、ヴェイセルって言うんだねえ」

ひとりごちるばーさんに、俺は怪訝な顔を隠せない。

「ばーさん、俺のことを知ってたんじゃなかったのかい?」
「ああ、知ってるさ。あんたが[でたらめな海賊]って呼ばれてることと、アムンマルバンダだってことと、この地の混沌を鎮める力を持つものだってことはね」

ばーさんはすまし顔で答える。

「でも、名前は分からなかったんだよ。何しろお告げが教えてくれたのは、それだけだったんだから」

「はあ――」

飯を食いながらの名乗りあい。どこかで聞いたことがある、人づてで聞いた名で呼ぶのと、自ら名乗って呼んでもらうのとでは、その意味がまるで違うのだと。

飯が終わり、茶が出される頃あいに、俺は本題を切り出した。

「で、この村のことだが…」
「――まあ、それはおいおい話そうじゃないか」

俺の焦る気持ちをはぐらかすように、ばーさんは含み笑いをする。

「それよりも、あんた」

俺の腰に目を落とし。

「その、奇妙な『景色』はなんだい?」
「えっ?」

俺もつられて自分の腰を見る。もちろん、直接目に見えるものではないが、『何かが違う』ことは薄々気づいていた。

「まあ、そこには《真の風景》はまだ宿ってないようだからいいものの
 あんた、そのままじゃ『景色』が邪魔して風景を宿しても使えないよ」


取り除く方法を教えよう。

ばーさんはそう言って、俺の隣へと席を移す。

「《気づき歌》って言ってね。貼り付けられた《風景》を剥がすことが出来る歌だよ。
 これは、アムンマルバンダ同士で合唱したら、相手の《風景》も取ることができる」

「だけど、《風景》を剥がすことはとても気力を使うのさ。未熟なアムンマルバンダだと、すぐくたびれちまう。その上、歌が効くとは限らない――」

「――でも、覚えておいて損はないよ、決してね」

ばーさんは、幼女のような顔して笑った。

「さあ、私の後について歌詞をなぞりな。歌っているうちに、あんたの中にある魔法の力を感じることができるだろうさ」

俺はばーさんの言うことに従った。
反発する気になれなかったのは、ばーさんの言うことが真実だと、俺の中の俺が納得していたからだ。

俺は、ばーさんに教えられるとおりに歌った。
それは、子守唄のような、民族音楽のような。
聞いたこともない、けれど、どこか懐かしい旋律。

ばーさんの言葉と俺の歌が共鳴し、俺の内側から暖かな力が鼓動する。
春の光にも似た、優しく、全てを包み込むような――

ああ、この力に包まれたら、邪悪に歪んだものも幸せに溶けて流れていくだろう――。


――しかし。

「…ああ、駄目だったねえ」

ばーさんが、ふうっと大きくため息をつく。俺もうなずく。
腰の違和感は、依然としてそこにある。
気づき歌でも、風景は取れなかった。

立ち上がろうとして、不意に身体が重いことに気づいた。
ひどく疲れている。
ただ歌を教わってただけなのに、身体の芯からへとへとだ。

いつのまにか、辺りは夕闇に包まれていた。

「仕方ないね。話は明日にしよう」

ばーさんも疲労の色は隠せないようだ。

「取れなかったら、どうなるんだ?」
「そのままだよ。仕方ないのさ――張り付いた《風景》を取り除くためには、歌しかないのだから。ただ、この地の呪縛を解くことができれば、浄化することも可能だろうね」

ランプに火をつけ、ばーさんは部屋の片隅を掲げる。
みると、粗末なベッド。

「今夜はそこで休むといい」

今夜はゆっくりお休み。
夜は魔法使いにとって、大切な時間なのだから。

そういって、ばーさんは奥の部屋へと引っ込んでいった。
【語り終わり】
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