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『はやぶさ 遥かなる帰還』


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この本を原作として映画となりました。

4本の『はやぶさ』映画は、つまり同じ素材を取り上げるのです。同じ展開になるのは、あたりまえです。要は、何を主題にし、何を描くかという問題になってくるのですが。

角川版『HBTTA』は、プラネタリウム上映作品であり、はやぶさの帰還が危ぶまれている時に、どこよりも真っ先に作成された(ある意味)『本物』であり、科学的解説を、篠田三郎の愛情ある語りと美しいヴィジュアルで魅せた物語であり。

FOX版『はやぶさ−HAYABUSA−』は『完コピ』謳うセミドキュメントタッチであり、『科学者』の物語であり、母と子の物語であり、物事を継続するために、本当に必要なものは何かと言う根幹を解いた物語(子供にも分かりやすく作られてるけど、ああみえて結構硬派な造りですんで、子供向けとは言えないなあ)なら。

東映版『はやぶさ 遥かなる帰還』は、映画(エンターテイメント)として観客が見たかったものを提示してあり、技術者とメーカーの物語であり、中間管理職の物語であり、リーダーのモデルロールを目指した物語。

「いい映画」でした。“ボロをまとったマリリン・モンロー”奮戦記! 『優秀な科学者は、叩き上げの交渉人でもある』ことを体現した渡辺謙PM。NASA相手に一歩も引かない“じょっぱり”は、彼ならではのものでしたね。



↓↓↓
正直、もっと昭和のおっさんくさい、古臭いものを想像していました。CMでしょっちゅう流れる「全責任は私が負います」の台詞、「あきらめない『男』たち」のキャッチコピー。これがいけなかったんだよw

「けっ、サラリーマンが好きそうな言葉だよなー」とか、「男だけじゃなかんべ? 女もいるでしょ?つか、宇宙開発は男も女も官も民も学生も社会人も学者もメーカーも関係なく、あらゆる壁を取って、日本人として一丸とならなきゃ、出来ないもんでしょ?」とか。突っ込みまくっておりましたが。

全体的に『引いた』演出で淡々と進められており、心配していた古臭いと思える演出は無かったので安心して最後まで観る事ができました。

どのタイミングでそのカット割りを挿入し、どのタイミングで音楽を鳴らし、事実であってもコミカルなエピソードの挿入は極力控え、などなど、いわゆる『重厚』と呼ばれる演出がそつなく出来ておりまして。

ドキュメントっぽい(重厚=ドキュメントじゃないんですね(笑))、静かで、しかし熱いエンターテイメント映画になっている点では、FOX版より年長者にウケがいいかもしれません。こういうのもアリですね。

渡辺謙は主役ですが、思った以上に『表』に出てません。メインは江口洋一と吉岡秀隆です。イオンエンジンが仲を取り持って、徹頭徹尾いちゃいちゃしてます(えええええ)。
まあ、モデルになった先生いわく「あんな怒鳴りあいの大喧嘩は無かった、もっと静かに、論理的で冷静な議論」だそうなので、映画の演出として割り切ってみれば良いかと。でも、宇宙研と会社の板ばさみで振り回されたメーカーの人からみれば、吉岡君叫びは、一度は口にしたいものじゃないのかなあ(笑)

そして、技術立国と言われながら、独自の発想と高レベルの技術力を冷遇する日本という国の捻じれを炙り出したことも、私としてはポイントが高かったです。

「こういうことは、金じゃないんだよ!」と言う山崎努訳の社長。そうだよね、未来の礎を築くのは、確かに金勘定では出来ない。だけど、社長さん、本当は従業員に給料を払ってやりたかったんじゃね? 一緒にやっていきたかったんじゃね? 「金じゃない」確かに立派です。でも、日本人はその心意気に甘えて、本当に良いのか? 将来、もしあの孫が会社を継ぎたいと希望した時、安心して、孫に会社を継がせてやりたいと思える環境なんだろうか? 称えるのもいい、精神論を尊ぶのもいい。だけど、今まで最先端技術の底力を支えてきた彼らは、もっと経済的に報われてしかるべきなんじゃね? と。
現実を映す不条理感は、『はやぶさ』は決してきれいごとじゃないという断片を映し出してくれて、好きな部分です。

飛不動で、かりんとうを摘んだ指の、爪の中まで油が染みているシーンが、私の一番の涙ポイントでした。

さて、今回ナビゲーターとして登場したのが朝日新聞の記者さん。FOX版では理学生の竹内結子でしたが、記者の目を通して『はやぶさ』を追いかけ、概要を紹介してくれる役割を果たしてくれましたが、そうですねえ…彼女が新聞記者じゃなく、原作者の山根さん本人をモデルにした方が良かったんじゃないかなあ。

彼女は決して悪くないし、山崎努とリンクさせることで、『はやぶさ』を初め、日本の技術を支える人々を映し出す点については問題ないと思うのですが。

どうしても、山崎努に重きが流れて、結果的に記者としての仕事がぼけてしまったのが残念ですね。この映画のバランスの悪さが、彼女の役割の中途半端さに現れているようで。

よくよく考えると、彼女だけなんです、役割を多く期待されてたのは。他の登場人物は研究者の顔だけ、とか、会社員の顔だけ、とか。比較的一本に絞れていたからもあるのですが。

『母としての顔』『記者としての顔』『娘としての顔』。それぞれがそれぞれのシーンで分散してしまい、結果的に彼女の立ち居地がぼやけてしまったのが残念。せめて、ウーメラ到着前に異動ではなく、ちゃんとプレスの仕事として、帰還に立ち会えばもっと焦点が絞れたのに、とか。

申し訳ないが、実際「あなた、ウーメラに何しにいったの?」と思わずにはいられませんでした(^^; 『子供に見せたい、つまり伝えたい、継承したい』という、この映画のテーマの思いの体現であることは分かるのですが、ここで『つめの甘さ』が出ちゃったなと考えてしまいます。

余談。FOX版でもあったなあ。はやぶさの帰還を竹内結子が高島くんと見上げるシーン。なんで女性が見上げるんだろうって。神の帰還を迎える巫女の役みたいで(笑) 松竹版でもヒロインがウーメラに一人で立ってはやぶさの帰還を見上げるシーンあったら、本当に『宗教』かと思うよw でもいらないので^^ つか、本当は見上げる余裕ないぐらい、忙しかったって言ってるし(笑)

小ネタとしては「雪のうすださん綺麗だようすださんペロペロ」とか(あああ、引かないでー!)、「打ち上げシーンで涙がとまらん」とか、「うっちーさんのパラボラが、ちゃんと見上げる見物人の視線と同じ方向だった!」とか、「運営室に竹内結子探しちゃったお!」とか「國中先生ご本人出てた!」とか、「学生運用役のおねーさん綺麗すぐるw」とか、「東映版でもあった!公式ドリンク一気飲み!」とか、「江口と吉岡いちゃいちゃしすぎ」とか「山口PMのパソコン、FOX版はアップルなのに東映版はNECってww」とかいろいろw

あと、『ラストショット』は問答無用だなあ。あれは本当に神懸かってるわ…。

それにしても、FOX版に続きミネルバが取り上げられていない、というのはなぜなのでしょう。やはり尺の問題だからかしら?

まあ、いろいろ書きましたが。とても楽しませていただきました。
次は松竹版でお会いしましょー(笑)

おまけ:
FOX版『はやぶさ−HAYABUSA−』感想
ゲンダイ『はやぶさ−HAYABUSA−』評、あるいはデマが真実の顔して飛び立った瞬間
松竹版『おかえり、はやぶさ』感想
で、結局どの『はやぶさ』映画を観たらいいのよ〜4本完走の感想
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