まずは恒例(?)、ひとり懺悔会。
えーと、基本的に引き直し無しで進めておりますが、一日目の夕方は何度かやり直しました、すみません(´・ω・`)
理由のひとつがルールがよく分かってなかったこと。もうひとつは『村専用の発見遭遇表/スポット表』を失念してたこと。
ええ、241Pのアレ(´・ω・`)
最初はよく分かっておらず、クラブの内容とダイヤの内容を取り違えてしまって。気がついてやり直し。二度目はスペードで、件の発見遭遇表を使いまして。
そのままでも良かったんだけどね。[灰色のマンティコア]なんて出ちゃってね。どうしようかと(´;ω;`)ブワッ
その後、「ええええ、こんなのあったのか!」と言う事で、再度、仕切りなおさせていただきました。ごめんなさい。
そういう訳で、これからは引き直し無しで進めます。懺悔です。ごめんなさい。つか正直時間がアレで引き直しがもったいないという即物的な理由もあったりして。
さて、本文は夜。虫の知らせ⇒神託の魔法風景の【語り】です。
※これまでの展開
・キャラシート:[でたらめの海賊]ヴェイセル
・キャラメイク
・オープニング
・一日目 昼/夕
↓↓↓
・虫の知らせ:【言葉決め/二語連結】⇒[樹液の部屋]
・隠された真相:【言葉決め/二語連結】⇒[怒りの雷鳴]
・神託の魔法風景:【言葉決め/二語連結】を二回⇒[開かない歴史][調和するハヴァエル]
【語り】
斜面を上がりきったところで、俺は野宿することにした。流れ者の身だ、金は無い。初夏の今頃になると夜もだいぶしのぎやすくなる、ありがたいことだ。
パンにチーズとハムを乗せた簡単な夕食の後は、湯を沸かし、茶を淹れる。故郷を出てからの日課になった。暖かな湯気のたゆたいと、香草の澄んだ香りが、俺の心を癒してくれる。
風に乗って、薔薇の甘い香りが漂う。昼間、俺が魔法使いに目覚めた月リンゴの山を、満月が煌々と照らしている。
はぜる焚き火に、時おり小枝をくべながら、俺はぼんやり考えていた。
山小人が口にした[混沌の呪縛]。この村に影を落とすという厄災。牧草地に降りかかった[動く目]。それを安堵させるために、俺がここにいる…
――――何もかもが突拍子すぎて、皆目検討がつかん、というのが正直な話だ。しかし、それでも、心の奥底から湧き上がる、これまで感じたことの無い『ざわめき』は、『それら』が、必ずひとつに繋がり、意味を成すものとなるだろうと予感させていた。
それにしても、だ。俺は何故、この村へ来たんだろう。
確かにあの歌を耳にして、やもたてもたまらず故郷を出奔した。故郷からこの村まで、決して近くはない。他にも立ち寄れる場所はあったはずだが、まっすぐここへ来た、もうひとつの理由があったはず――――
「そういえ、ば…」
この村の名、確かに聞き覚えがある。
「[樹液の部屋]…」
それは、とある街の市で見た琥珀の首飾り。光の加減で黄金色にも蜜色にも輝く美しいその中にいるのは、羽根を広げた一匹の蝶。ほとんど完全な形で固まったまま、しかし、今にも動き出しそうな気がして、俺はその瞬間が見たくて、気づけば立ち止まっていた。窮屈にもほどがある部屋の中で、こんなにも羽根を広げやがって。本当は、こんなところから飛び出したいんだろうな。
「琥珀は遠い昔の樹液が、土の中で固まってできた宝石だがね。時おり、流れ出る際、虫を取り込んでしまうこともあるのさ。この蝶の琥珀は特別珍しいものでね、こんなに綺麗な形で保存されたものは滅多にでないのさ」
宝石商の語りを「へー」とか「ふーん」とか聞き流しつつも、俺はしばらく見入っていたっけか。
「そういえばあのおっさん、琥珀が取れたのはこの村の近く、と行ってたなあ」
あの[樹液の部屋]と[動く目]に何の関連があるかは分からん。しかし、俺がこの村へ来たのは、あれを見てからだ。
「ああ、ああいうのを虫の知らせっていうのか?」
自分の知らぬ間にアムンマルバンダとなるよう差し向けられた運命ってやつに、俺は苦笑して肩を竦めた。
「でも…あれ? もしかして…」
そして思い当たる、もうひとつの出来事。
「最近その村には立ち寄ってない。ある雨の夜、怒り狂うような雷鳴が轟いてから、どういう訳か村の様子が変わっちまったからなあ…」
その時は、蝶に気を取られ、何が起こり、何故そうなったかまでは突っ込んで聞かなかった。しかし、これがもし、[動く目]に関係があるなら…
その時、一陣の風が吹き抜けた。
ザリの駆け足は、夏に燃え盛る暖炉のような、俺の赤い巻き毛をなでていく。
「お…おお…?」
瞬間、言葉にならない閃きが『降りてきた』。まるで頭の中に直接流れ込んでくるような、形容詞がたいイメージ。なんだ、これは――――
[開かない歴史]。そして[調和するハヴァエル]
言葉にしえないイメージに、無理やり言葉をはめ込んで。時間をかけて、俺はようやく、二つの言葉を編み出した。
その作業を終えて、すっかり冷め切った茶をあおった。
苦く甘く冷たい液体が、心地よく喉をすべりおりた。
「…そうか、そういうことか…」
まだ新米の、ペーペーな魔法使いにも、分かった。
自分が何をすべきなのかを。
神の与えし魔法の風景を自らの中で創りだし、呪縛の地に放つこと。
それが、『踏み固める』ということなのだ、と。
「しかし、どうやってその風景とやらを作ればいいんだろうなあ…」
どうにかなるだろう、とは思うものの、どうにもならんかもしれん、とも思う。
「まあ、そん時はそん時だな」
俺は寝袋に身を横たえ、ゆらめく炎をしばし、見つめた。
【語り終わり】
さて次はいよいよ変異混成ですが、さて。