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【Wローズ】オープニング【ソロプレイ01】
キャラシート:[でたらめの海賊]ヴェイセル

名前を『ヴェイセル』に決めて、スタート。

これまで決めたことを[語り]、物語を膨らませます。

[語り]とはロールプレイみたいなもんだけど、[語り]で膨らんだ物語から、新しい[風景]を見出したり、次のヒントが得られるみたいです。

オープニングはフォーマットに添って進めるので、本番は次からってことですね。

※これまでの展開
 ・キャラメイク





↓↓↓
【語り開始】

その歌が聞こえたとき、俺はやもたてもたまらず駆け出した。

胸の奥までかき乱される思いと同時に、不意に思い出した、生まれる前に見た夢――[古の経験]。しかし、何を経験したか思い出せない――。

俺は衝動に駆られるまま、生まれ故郷の海辺の町を飛び出した。もとより、酒場は親父が博打で潰しちまって、それ以来日雇い仕事で喰ってきた。陽気な母ちゃんも、生真面目な兄貴もどっか行っちまった。離散ってやつだ。天涯孤独と変わらん俺に、未練は無かった。

ここではないどこかへ。俺の知らない、俺の知る場所を求めて。

そしてとある村の、[月リンゴの山]で。俺は不思議な山小人と出会う。まるでその場の風景の一部になるような、透明な雰囲気のそいつは、俺に旅立つ時が来たと促した。

「だって、ほら! 5番目の風景を宿してるもの」

言われた瞬間、ぱっと何かが閃き、何かが見え――それを無理に言葉にするなら、[卵の殻帯びし乳飲み子]というべきだろうか――、またあの、言葉にしがたい衝動に突き動かされた。

山小人は言う。俺は[アムンマルパンダ]――踏み固める者、逍遥舞人。混沌の呪縛からあらゆるものを解き放ち、安堵を与える存在なのだと。

宿の常連だった旅の呪い師に、聞いたことがある。全てのものが宿せる風景は4つまで。そしてそれは、自分の意思では変えられない。しかし、魔法使いは自分の身に帯びた風景を4つ以上持ち、それを自由に放って、思い通りに書き換えることができるのだと。

“風景とは魔法。そのものが、そのものでいられるための存在証明のようなものさ。混沌の呪縛とは、本来そのものが持っているはずの風景を歪め、惑わせるもの。移ろいの中、自分が自分でいられなくなったら、己も周囲にも不幸を及ぼしてしまう。そんな呪いから、あらゆる存在を救うのが、逍遥舞人と呼ばれる魔法使いなのさ”

「旅をしなきゃ! だってこの地域には、混沌の呪縛に襲われてるんだ」

突拍子も無いそいつの言葉。ちょっと前なら「馬鹿なことを」と一蹴していただろう。しかし、今は違う。魂を揺さぶった歌、生まれる前に見た夢、そして、気づいてしまった五番目の風景――全てが、それを意味するなら。

直感だった。根拠の無い直感。しかし、それで充分だった。

山小人は言う。

「昔は[虫食いの牧草地]と呼ばれてたんだけど、今じゃ[動く目]って呼ばれて、面倒なことになってるんだよ」
「『動く目』? すいぶん気持ち悪い呼び名だな」

禍々しくおぞましい地名になってしまった牧草地。
なぜ、そうなったのか。

考えをめぐらせる俺の目を覗き込むように見つめ
「ほらね、やっぱり君はここへ旅するべきなんだ。[虫の知らせ]を感じた目をしてた――それこそ、アムンマルバンダの証拠だね!」
山小人は嬉しそうに話す。

[虫の知らせ]と言われて、何かがコツントひっかかった。しかし、まだ思い出せない。そりゃなんだと顔を上げると、山小人の小さな姿は、もはや光を通し透けていき。

「そろそろ、旅立つ時が来たよ。僕も、初々しい魔法使いさんもね」

ゆっくりと、消えていく。とうとう風景と同化し――再びかすかに聞こえてきたあの歌も、やがて一陣の風と共に聞こえなくなった。

夢のような出来事。しかし、夢では無い。

しばらく、呆然とその場にいたが、やがて体の内側から、やがてひとつの思いにまとまっていった。
好奇心。そう呼ぶにふさわしい衝動。

「俺がその逍遥舞人かどうかは知らん。けど、俺はできる事をやってみるよ」

何より、困ってる連中を見過ごせないのが性分なんだ。――博打好きで家を潰した、どうしようもない親父からの、たったひとつ誇れる『遺産』なんだ。

前より少しだけ豊かになったその景色の中で、俺は空を仰いだ。

【語り終了】


・次にやることは、『昼』と『夕方』になにをするかという感じですね。夜になったら、[虫の知らせ]から[神託の魔法風景]を得る流れのようです。
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