<< いちごのミルフィユ #uchicafe | main | トマトとチーズのケークサレ #uchicafe >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | - | by スポンサードリンク
ゲンダイ『はやぶさ−HAYABUSA−』評、あるいはデマが真実の顔して飛び立った瞬間
長いタイトルだけど、ほぼその通りです。

内容も長いしウザいし、まとまりも悪いので、お暇な方だけお付き合いいただければおけ。

あと、こちらでも書いたけど、私は『はやぶさ−HAYABUSA−』の映画に関して好意的な評価を持っています。だから、視点はどうしても擁護寄りになります。ですので「なんだ、信者のたわごとか」と、その分を差し引いて読んでもらえると助かります。

あと、この記事も映画の感想も、ネタバレがありますので、未見の方は気をつけてください。















※※※※※
その記事を目にしたのは27日午前中。
大気圏の彼方に吹き飛んだ映画「はやぶさ」−ゲンダイネット

まあ、元ネタはゲンダイネットの釣りとか煽り記事なんだがね。

この記事のなかでひとつ事実があるとすれば、『興行的に成功とはいえない』と言う点。

正直、私自身も、あの拵えでは一般受けは難しいとは思ってる。地味な構成、ドキュメンタリータッチで華はない。淡々と、ひたすらストイックに綴られる。そんな飾り気の無い研究員達の奮闘が、主人公の目を通して描かれているのだから。

その演出がマイナスに響いたという指摘なら「当たってるなあ、仕方ないねえ」とぐぬぬ顔で飲み込むしかない。

しかし、前田有一氏の批評はまるで的外れであり、正直まともに映画を観たか非常に疑わしい。そもそも劇中で、はやぶさが喋る演出の意図さえ掴めず(掴もうとはせず)、最初から勝手に『プロジェクトX』のノリを期待し、違ったから文句とか。正直、どこの中学生かと思う。

というか、そもそもゲンダイの釣り記事に加担している時点で評価の価値すらないんだが。

というか、正直闇雲に『プロ〜』を崇拝するのは危険なんですが! 好きな番組だったけど、何でもかんでも『プロ〜』じゃなきゃ面白くないって、こっちが失笑するわ

今更ながら補足説明するが、はやぶさが喋るのは本当。ただし声は竹内結子でありアニメ声ではない。
主人公のモデルとなったJAXA女性職員さんの綴った『はやぶさ君の冒険日誌』を元にしており、喋るというより、子供にも分かりやすいように語っていると言う方が正しい。
映画で使われる絵も同書を模しており、萌え絵化も人間化もしていない。
演出の意図は簡単に理解できるものであり、子供でも分かる流れ。
そもそもエンドロールにちゃんと『はやぶさ君の冒険日誌』が紹介され、「これを元に構成しています」と説明もあったのに。
批評家氏の目は節穴と言わざるを得ない



これだけなら、まだ「ゲンダイお得意の貶し釣り記事かあ。『興行的に失敗』ってメシウマネタ、あそこがほっとく訳ないもんあー。まあ、確かにあのセミドキュメントな作りは一般受けは難しいだろうなあ。前田氏のサイトは割りと読んでたんだけど、残念だなあ。私の中で『自称:映画批評家()』になっちゃったよはははー」で終わっていたのだが。

状況が一変したのが、同日午後。2ch経由でまとめサイトに記事が上がった。

竹内結子主演の映画「はやぶさ」大コケ はやぶさが喋りだす演出に観客呆然−痛いニュース(ノ∀`)

ここを皮切りに、次々とまとめサイトに同様のタイトルで内容がアップされた。

正直、「すげえ……」となった。「ちょっと待て。元の記事タイトルは『大気圏の彼方に吹き飛んだ映画「はやぶさ」』のはず。そんな嘘タイトルではないぞ!?」と。

つまり、2chに貼られた時点で、upした人物の手でよりセンセーショナルなタイトルに変えられたようだ。

このタイトルは、元記事以上に大きなインパクトがあった。タイトルだけで、状況が想像できるのだ。記事内容はメシウマ、さらにタイトルの影響で、前田氏のコメント『アニメ声で喋る』が、読み手の中でよりクローズアップされてしまい。結果、

『映画中、擬人化(ほぼ再生されるのは萌え絵だろう)されたはやぶさが、アニメ声で(鼻にかかった、媚びたような声で再生されるのだろう)喋る。そして観客(本当は前田氏個人の感想のはずが、そこにいる観客全員がという印象にすり替わって)呆然。だから映画はコケた』

というイメージが強烈に刷り込まれることとなった。
そして、乾いた草原に火のついたマッチを落としたごとく、Twitterに乗って一気に拡散していった。ある時は記事の紹介で、ある時はRTで。びっくりするほどすごい勢いで、私のTLはそのネタで埋まった。

人間というものは、真実が大切と言いながら、本当は真実なんでどうでも良い。こと、それほど興味ない映画のスキャンダルとあれば、わざわざお金を払って確かめに行くより、キャッチャーなタイトルに煽られた脳内イメージで『見た気』になって、あれこれ無責任に放言するほうがずっと楽しいのだ。

厄介なことに、(普段は「煽り乙」と叩かれているにも関わらず)ゲンダイはマスメディアとしての威力がある。つまり、個人ブログとは違い「ソース」=他人に問われた際の、一定の信頼の置ける根拠、となってしまうのだ。

かくして、デマは真実の顔をして広がり、各人の脳内に刷り込まれたイメージを払拭することは難しい。

そうでなくともマイナスイメージであり、払拭するただひとつの方法=『映画を観て、自分で判断する』行動を取るには、より多くのエネルギーを費やさなければならない。しかし多くの人にとっては「どうでもいい」ことであり「そんなことのために1800円も」払うことも無い。積極的に払拭されることはまずないだろう。

ネットにはセンセーショナルな見出しがRTされたり、検索サイトのキャッシュにいつまでも残り。この先「擬人化したはやぶさがアニメ声で喋るため『はやぶさ−HAYABUSA−』はコケた」と言うイメージは固定されていくのだろう。

幸いにも、映画を観た人のツイートは「この記事は煽り、批評家は映画をちゃんと観てない」「はやぶさはアニメ声で喋らない」と正確な情報を流してくれるものが多く、印象だけで何となく貶している流れの中で見かけるたびに、ほっとしているが。

ブログやTwitterで事実と違う内容が紹介され、その内容が人の手でさらに歪められ、間違ったイメージが真実として拡散していく様をリアルタイムで見た。これが初めての経験だったので、ある意味貴重な体験ではあったけど。

まだ、映画と言う娯楽コンテンツだから、この程度。笑って済ませられるのだ。

自分のツイートにも
こうやって、「分かったつもりだけど実は全く違った情報を鵜呑みにして、我知らずデマに加担していく」行為が拡散されていくんだな。はやぶさとは別方向で、『情報の独り歩き』していく様をリアルタイムで見れたのは、ある意味収穫かもしれんがね。一歩立ち止まっての精査と吟味は本当に必要なんだな
とは書いたけど。

事態がもっと深刻なものだったら。自分の知らないところで当事者を傷つけ、追い詰めてる状況に加担しているのかもしれないと思うと。本当に恐ろしいと感じ入る出来事でもありました。

あと自称:映画批評家さんへ。あんたは自分のブログん中で一生籠もってなさい。そこなら何書いても文句言わないよ。誤解しないでね、『批評するな』じゃないんです。お金を貰ってメディアの看板背負って書くことの、重さと意味が分からない人に、批評家面して欲しくないだけです。そこんとこ、よろしく^^


【2011.11.1追記】
Twitterでは、相変わらずまとめサイトのあのタイトルがツイートされています。タイトルだけ見て、面白おかしくつぶやいているのでしょう。もう、『ゲンダイ』も『前田有一』も、映画の本当の内容すら、どうでもよいものとなっているようです。

拡散し、キャッシュに残るだろうそれらを、止める術は誰にもありません。『悪貨は良貨を駆逐する』の喩えそのまま、勢いは止まらず、嘘の印象が改善されることなく、いつか忘れられていくのでしょう。

しかし、実際に映画を観た人の「面白かった」のつぶやきやブログ感想も残るのですから、悪いことばかりでないとも思えるのです。それをきっかけに「あ、いつか見たあのツイートはデマだった」と、(ごく僅かではあるでしょうが)気づく人もいると思いたいです。

『はやぶさ−HAYABUSA−』と言う映画は、「自分の目で見て判断することが、どれだけ難しくてどれだけ大切か」を示した映画にもなり、同時に、心無い批評(のふりした中傷)が生み出す無責任な現実と、その結果も教えてくれました(もっとも、まとめサイトが結果的にゲンダイと批評家の上前をはねているようで、ある意味皮肉な光景ではありますがね)。

同時にこれは(上記の繰り返しになりますが)、誰もがはまる罠であり、自分自身にかける呪いのようなものだと痛感しました。

『なんか面白いのが流れてきたから乗った。ホントかどうかは二の次』という思考は、自ら望んで嵌るものですから、それが嘘・デマだと気づくことが難しいのです。

そもそも確認する気もない事例が大半でしょう。生活や趣味の優先順位が低いのであれば、なおさらです。私自身も例外ではありません。だからこそ、目の当たりにした事例を他山の石として書き残したものです。

この数日、たくさんの方にブログを読んでいただいたようです。正直、とても驚きました。つたない文章を読んでくださって、本当にありがとうございます。

一言、お礼を申し上げたく、追記をアップする次第となりました。
| comments(5) | trackbacks(0) | by LINTS
スポンサーサイト
| - | - | by スポンサードリンク
コメント
はじめまして。

この一件について、貴殿と意見を同じくする者です。

本当に驚き、ある意味感心しました。

私は上映終了迄にあと数回観に行く事にしています。
| 通りすがり | 2011/10/28 11:41 PM |
自分もこの映画はよく出来てるなと関心してるところに
つまらない嘘情報を拡散されて、同じ気持ちになりました。
仮にも映画評論家を名乗る者が、こんな分かりやすい物語を全く理解しておらず
嘘を垂れ流してネガキャン、拡大してる現実に唖然としたものです。
| 名無し | 2011/10/29 7:44 AM |
通りすがりさん>
名無しさん>
コメントありがとうございます。
あの一連の流れは本当に印象深かったです。
ゲンダイの記事は記事、2chのスレはスレと別個になってたのが、
まとめサイトに上がったとたん、爆発・加速した…
と言う印象を受けました。

観た人が「つまらん」「面白くなかった」と言うのは良いと思います。
それが酷評で反発を感じても、どこかで納得できるものがありますからね。
だけど、今回の批評はそれを感じさせないものでしたからねえ…
残念です。

『はやぶさ』は2回見ましたし、後の2本も観に行きます。
映画の出来は、自分の目で見て、判断したく思っています。
| LINTS@管理人 | 2011/10/29 9:56 AM |
こんにちは。通りすがりのはやぶさファンです。
確かにあの記事一連、悪意を感じましたね。

と言うのもはやぶさがしゃべる(=擬人化)については、
好みは別として、実はそんなに違和感のない土壌があるはずです。
書いた人、相当の勉強不足か、意図的に考慮しなかったなら悪意あるなと感じました。
JAXA公式ページやツイッター、ニコニコ動画等でさんざん「はやぶさ君」と呼ばれていましたし、
映画中のJAXAスタッフのはやぶさに対する思い入れ等感じれば、
そういったメディアに接していない子供やファミリーにも、違和感はなかったと思います。


もしあの映画を批判したかったのなら、きっちりした数字と共に、
映画の質を問う内容が読みたかったですね。
ゲンダイはまともな批判ができないなら書くなと。
あの類の名誉毀損、危害はいつも許せない。


粗末ながら私の感想を明確にしておきますと、興行上コケたかどうかは関係なく、
企画的にコケた映画、といわざるを得ません。
コミカル仕立ては、女優がこれには不向きで演出が生かされず、
それを含めて、参考にならないフィクションが多かった。
スタッフの事実・人格的描写は浅かった。特に川口PL。
評価できるのは発射シーン、糸川先生シーン、イトカワ観察シーン、帰還シーンの俳優が出ない部分。
これを入れたのは評価できる。勉強になったし、子供にもわかりやすく衝撃的な映像でした。

プロジェクトX的なものを期待する層は無視してよい。
ファミリー向けということで、びしっとその需要に応え、成功してほしかったです。
狙った通りのクオリティの映画か。本当にファミリーに受けたか。
制作側はゲンダイのような記事に悩まず、後日自分の手で調査し、自己評価してほしいと思いました。
| 通りすがりのはやぶさファン | 2011/10/31 2:22 PM |
通りすがりのはやぶさファンさん>
ありがとうございます。
長所にしろ欠点にしろ、それだけ熱く語れるものがあった、
ということは、通りすがりさんにとってはやぶさという映画は
あなたにとって素晴らしいものだった、ということでしょう。

ゲンダイは「所詮ゲンダイ(笑)」ですから、
具体的な数値やしっかりした評論を求める方が無理なのです(^^;
レビューのフリした中傷記事に好きな番組や映画を貶められ
昔から、嫌な思いをしてきましたからねえ。

『はやぶさ−HAYABUSA−』は、おそらく、
三本の映画の中では、もっとも史実や現場に
近いものに仕上がっているでしょう。

プロジェクト途中で亡くなられた方が実在したと知った時は、
「そこまで調べ上げてるのか!」と驚愕したものです。
調べつくした上で、あの引きに引いた演出ですが、
一般に受けるかどうかは、興行的に成功するかどうかは別物です。

ですが、なお、観た人の中に何かが残り
見出しだけで判断した人の「はやぶさ映画って、喋るんだって?」の揶揄に、
「違うよ、『はやぶさ−HAYABUS−』とは、こんな映画なんだ」と
語ることが出来れば、それが真実のレビューとなるのでしょうね。

はやぶさファンさんの仰るとおり、作り手の皆さんも、
決して恥じることはないと思います。
本当に良い映画でしたからね。
| LINTS@管理人 | 2011/11/01 11:58 AM |
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://aquavitae2011.jugem.jp/trackback/18
トラックバック