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『かみあり』6巻

神在月の出雲を舞台に、関西出身の天然娘幸子と巻き込まれ体質絵美のゆるゆるかみさま交流録。

隔月間連載だから単行本の刊行ペースは遅く、だから発売されるとすごく楽しみな『かみあり』。なんだかんだで6巻目。その『ゆるゆるかみさま交流録』も、ハロウィーンとなれば話は別。地獄の釜の蓋が開き、あの世とこの世の境界は曖昧になり、しかも出雲は神在月。

まさに旬のジャック・オ・ランタンの逆襲で、二人はマジもんの危機に。北欧神話も入り混じって大混乱の中、カボチャの境界を越えて入った巴智先輩と共に反撃の狼煙を上げる! 

えっ、続くんか! 一話完結じゃない!


↑5巻のコイツが再登場。こんでええわ


以下ねたばれあります。




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この手のお話は、たとえギャグやコメディでも(いや、むしろコメディだからこそ)「資料を読み込んだ上でちゃんと昇華する」ことがすごく大切。

考証やら勉強は大切だけど、下手すると『いかにも勉強しました』的アピールが前に出すぎてストーリーを縛ってしまう。

『勉強』というインプット以上に、作家の読解力・表現力、さらに自分の作りたい世界に無理なく合わせていくというアウトプットが重要であり、それに失敗すると『物語の前にしゃしゃり出て鼻についてしまう』『考証が物語を縛って何がしたいのか分からない』結果になってしまうんだなと思う次第。


『かみあり』は、その点作者がちゃんと資料を読み込み、きっちり落とし込んでるからすごく深い。「よくこんな神様見つけてくるな!」と思えることしばしば。その最たるものは藤林長門守と大眼。本当にぐぐった程度では見つからない、一次資料をきっちり読み込まなければ出てこない神様です(残念ながら6巻に藤林殿の登場なし)

その落とし込みも『いかにも資料を読みました!』的流用ではなく、自分のカラーに昇華してある点が非常に面白い。神様の由来や力に関する説明台詞も当然あるが、物語の邪魔に全くならず、むしろ知的好奇心を刺激してくれる。


そうして描かれたマンガはこれだよ!www



神様のツボを抑えているからこそ炸裂する渾身のギャグ展開。すごくためになるのに、肩の力を抜いて笑えるのがすごくいい。何より神様のデザインがどれもキュートでツボ。何度も読み返してしまいます。

しかし続巻はいつ出るんだろう…再来年?(首かしげ)


■第36話

たこ焼きからのクトゥルフ神話。もう擬人化されてますよ清明様!(目そらし)
そして安定の日本人的思考。…まあ、説明文の最後に「おいしい」とか「おいしくない」とか書いてる魚類事典もあるそうですしおすし(目そらし)


■第37話
神在月の神様最大のお仕事「縁結び」。その進捗状況がひと目で分かる展開です。縁結びのこよりは人間は触れない。…のに幸子達が呼ばれた理由。…そうだね、確かに神様は縁結びを願う存在だけじゃないもんね…。そしてこれが連綿と続けられてきた出雲の歴史…



京都白虎のおっちゃんかっこいい! 反則!


■第38話

玉祖神様んちに遊びに行ったら、タケル君と采女君も来てた上、須佐之男命君も来ちゃってイノシシ肉BBQしたよって話! ざっくりまとめたらなんかすげえww これを読めばあなたの『女装男子』の定義が代わるぜ! どこからこんな発想持ってくるんだよ作者ェ…

オロチの骨ネタは、巻末収録の『かみあり紀行』を読めば納得。実在するんやでえ…


■第39話〜42話
『かみあり』至上初のスペクタクル長編ハロウィーン! まさかの連続モノ。清明様の心労はいかばかりか…(南無南無)

これまで何度も出てきた『双生は人の器を超越する』。じょ、女装ネタだけじゃなかったんや…。前の巻でも思ったけど、ヒヌカン様のご加護は粉モン上手に焼けるだけじゃなかったんや…!

逆恨み大爆発で間抜けなジャックだけど、魔界の蓋が開いた状態な上多勢に無勢。ただの人間の幸子や恵美、巴智先輩にはどうすることもできず。北欧神話のマルドルやドンナー、ロプトも『流行り神』だから力が無い。窮地に取られた方法が…

『魂の交換』

正直すげえおもしれーって興奮しました。どこの話でも扱われるネタかもしれないけど、ギャグネタ満載の『かみあり』だからこそパンチが効いた感じ。魂を交換した幸子テラかっこよす(中身巴智君だけど)。超ディフェンス型が二人とかもう穏便でないエンドしか想像できない! はよ続き!

ヴァナルカンドもふりたい。この登場シーンはぞくっとしたけどね。


■第43話
ハロウィーン編は一回お休みで神様小ネタ集。おっぱい観音様やビリケン様も登場。

一番笑ったのがメジェド様。『出すに出せない』タイトル納得。確かに危険や…。このガブリエル様を読むと、これまでのたおやかなイメージは一新されますマジで。人間ってイメージに左右されすぎい。

神様ネタに混じってなぜか折田兄妹のエピもあります。俺の妹がこんなに極悪人なはずが…ある(真顔)





■かみあり紀行

本誌連載月が奇数月から偶数月に移動する際、三ヶ月空いてしまうため穴埋めとして描かれた作者の出雲旅行記。『穴埋め』と書きましたが、いやいやどうして、とんでもなくめちゃくちゃ濃ゆい旅行記です。むしろ本編を食う勢い。



端的に言っちゃうと、出雲が舞台の『かみあり』が縁で、島根県観光振興課の方から「出雲PRして頂いた御礼に、出雲をご案内したい」連絡が入り、作者とご友人が神の地を訪問したお話。

それだけなら「ふーん、旅行レポート?」と思いがちですが、何しろかの地は神有りの地。時に荘厳、時に観光地然。『神』という目に見えない存在を肌身に感じながら暮らす『空気感』が、作者の丹念な絵柄で描き出されていきます。

実際にお会いした須佐氏との会話が天然にして天井知らずで、ほんまリアルはフィクションを軽々と超越するんだぜ…!

『かみあり』の何が好きかって、染谷カイコさんの描く『風景』が本当に好きで、どの景色を切り取ってもふんわり上質なタッチになってるんですね。その筆致で描かれる出雲の街角や出雲大社の一角。そこに『かみあり』の神様は息づいてるんだなと思える次第です。

作者が何を見て何を感じたかは、ぜひ単行本6巻にてご堪能を!


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