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『ダンジョン飯』2巻

迷宮攻略冒険譚もとい迷宮食材健啖録第二巻。前巻は周囲でものすごく評判が良くて購入を決めるも売り切れ。一ヶ月後入手したら、すでに四版目だったというね、もう。

ゴーレム、ゴースト、動く絵画などなど、食べられないモンスターが闊歩する中、彼らをどう『料理』するかが今回のメイン。また黄金城の過去が垣間見えたり、ライオスの迷宮探索の最終目的の目星をつけつつ、さらに奥深くへ。

『モンスターを倒して、料理して、食べる→美味しい!』のパターンだった1巻から、それぞれのキャラの個性や絡みが加わって、しょっぱさやすっぱさ、ほろ苦さも加わった2巻目。

1巻の感想は後日改めてまとめるとして。まずは2巻の感想を下記より。ネタバレありますのでご注意ください。



2巻マルシルのベストショットかな…何を食べてるかといえば…


■関連記事
・『ダンジョン飯』1巻
・『ダンジョン飯』2巻



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洗いたてドワーフの『さらさらっぷり』が反則すぎて、腹筋がもたなかったんですが! オークも出てきたけど知的生物だったので、マルシルくっ殺展開はありませんでした残念(酷)


◆8話『キャベツ煮』
『ダンジョン飯』らしい…というか、「そういうこと考える奴はセンシ、おめえしかいねえよ」的ゴーレム使用方法。迷宮のトイレ事情とか、「まあ食べるってことは、出すってことだよねーでもどうしてたんだろうなー」も鮮やかに解決。戦士として腕がある理由も、必然なんだろうなーと、ゴーレム三体を一人で相手する姿に変な説得感。



魔法を巡るマルシルとセンシの考え方の違いもここでちらっと。迷宮内での自給自足を実践するセンシの理念も、魔法使いたるマルシルの考え方どちらも筋の通るものだから「どちらかだけが正しい」だけじゃない。だから、無駄な議論もケンカもないのかなと。距離のとり方を知ってるのかなあと思い始めたヒトコマ。




◆9話『オーク』
…ってタイトルだけど、オークを食べるわけじゃないです。『袖摺りあうも他生の縁』的エピソード。

…こうして読み返すとこの話、一歩間違えたら即死エンド確定のすごい緊迫感の中にあることを確認。内容紹介だけなら「敵対種族に囚われたが、料理で解決、生還ルート」って簡単に見えるけどそうじゃない。このパーティの交渉力の高さ、つまり『相手の言い分を聞く。しかし自分達の主張は曲げない。その折衝点を粘り強く探す』が段取りよく展開。『自分の料理を振舞う』じゃなく『相手の作った料理を食べる』もポイントが高い。

…でもセンシのこの申し出は、交渉ではなく欲望に忠実に倣った故のもの。まあ、『オークと取引してた』からこそ成立したものだけど。…でも!w




『ダンジョン飯』のオークは生活スタイルで人間たちと敵対せざるをえなかっただけ、というスタンス。マルシルと議論(?)出来るだけの知性を持ち合わせてる…けど、根っから暴力的なので共存は無理なのも分かる。でも、一緒にパン種をこね、食事を摂る時間ぐらいなら。

ファリンを喰った赤い竜絡みで交渉も成立。ライオスの『迷宮攻略後、どう生きるか』もオークとの対話からなされたのも面白い。




対話や議論が成立するのは知性の高さの証明。オークリーダーは白熱した議論を冷却する方法を知ってるし、マルシルも彼らの料理法で「オークは壊すことしか出来ない」考えを少し改める。相容れないけど、ほんの少し認めあう。ベタベタな友達関係じゃなく、夕食一回分の短い時間という『距離感』を受け入れられること。

『ダンジョン飯』の中では毛並みの変わった話だけど、「彼らがなぜベテランパーティと呼ばれるまでに成長できたのか」の一旦も垣間見られる訳で。

そっか…発酵待ち時間はインターバルなのか…(笑)



◆10話『おやつ』
虫喰いだああああ! マルシルよく食うな…勇気、あるよな…。

別の冒険者視点からスタートなので、「?」となったけど、被害担当パーティだったのね。彼らの口から、ライオス達が実は大手だったこととか、最近の迷宮はおかしいって情報も漏れ聞こえたり。第三者視点で迷宮全体の情報が観る側に入ってくるのはありがたいです。

『食料が一番の荷物』は、今でも同じ。登山とかじゃ、熊や狐獲って食う訳にはいかないし。

しかし宝石だけど虫……甘くておいしいけど、虫なんだよな…。それにしても宝虫はどうやって冒険者を殺したのか。コイン虫は体当たりでムカデは毒かなーって思うけど、指輪とかティアラは…? 某クリーピングコインみたく、0ダメージの炎で焼いたのか…?

なにはともあれ、新たな仲間『ケン助』も登場。そしてライオスがどんどん人間でなくなっていく…!w





◆11話『ソルベ』
さすがにゴーストは食べられないよねえ…と思ったら、こう来たかw 聖水…それでいいのか…確かに生きてる人間の方が強いけど、聖職者の立場はいったい…

今回はライオスの妹、ファリンの話。彼女がどうすごかったのか、仲間にとってどんな存在だったのかを語りつつ、「想い出に囚われること」を良しとしてはならないってエピソード。



『オーク』の章で「一歩間違えたら即死エンド」と書いたけど、『ダンジョン飯』の登場人物は死を恐れてない。「死んだらスタートからやり直し」程度の受け止め方で、読み手の考える『死』よりもドライに描かれる。蘇生が出来るし(マルシルも蘇生魔法の使い手。成功率低いっぽいけど)、死体回収業なる職種も存在する。

ただ、蘇生できるからといって、無謀や蛮勇を奨励されてる訳でもない。仲間が死ねば悲しいし、死を目前にしたら恐怖も沸く。そもそも、ライオス達の火竜討伐の目的(のひとつ)は『ファリン(の一部)を持ち帰るため』だから、蘇生できるからといって『生と死』そのものが軽んじられてる訳ではない。

『ダンジョン飯』という作品の中で生きる生身の彼らの生死感に触れることで、ゲームで無数に死と蘇生の繰り返しを見てきた(やってきた)自分にとって、客観的に、第三者視点で見るのはちょっと不思議な感覚。

マルシルがなぜファリンが好きなのか、その一旦が垣間見られてほんわかする。


…無駄にかっこいいよね、このセンシ。何を持ってるのか、知らなければね(目そらし)



◆12話『宮廷料理』
動く絵を食べる!? じゃなくて、『動く絵の中に入って、描かれたご馳走を食べる』という発想。食欲魔人ライオスの本領発揮回。

同時に、絵を通して城の過去を垣間見る話でもあり。冒険者にとっては一攫千金の迷宮でも、城には城で歴史があって、かつてそこで生活していた人々がいて悲喜こもごもあった、という視点が描かれると、お話に厚みが出て面白い。




絵の中で出会った黄金城の王デルガルと、褐色の肌のエルフの詩人兼魔法使い。後のちにも遭遇しそうなフラグ。

そしてお約束のオチ。ライオスううううう


◆13話『塩茹で』
ミミック大嫌いなチルチャック…もといチルチャックさん受難のお話。ミミックまさかのヤドカリ説浮上。魔法生物じゃない! けど、英語で“mimic”はそのまま『擬態』って意味だし。

実は私、一時オカヤドカリ飼ってまして。あいつらの可愛らしさのとりこになった身としては、いささか心が痛むエピでもあったりw ヤドカリって、まつげがあるんですよ。けっこう長いですよ、つぶらな瞳がとってもチャーミングですよ!(力説)



1巻でも見たとおり、鍵師の仕事はただ罠を見抜いて外せばいいって訳でもなく、知識も必要で(とは言ってもより専門レベルになると魔法使いの助けも必要)、その辺りの描写も面白い。しかもミミックに追い回されながら。

プライベートを見せないチルチャックの秘密もちょっぴり明かされる、ハーフフット萌えにはたまらないエピソード。


◆14話『水棲馬(ケルピー)』
表紙の髪を整えるマルシルがとっても可愛いので、それだけでも見る価値がある。だから買おう!買って読もう!!

今回は料理じゃなくて、マルシルお手製の石鹸レシピ。


2巻冒頭からちらほら触れられていた、センシとマルシルの『魔法に対する考え方の違い』と言う壁。ケルピーを通して、二人がその壁を乗り越える…というよりは、壁にあった扉を見つけ、改めてこんにちわをするエピソード。扉を開いたのがセンシ側、ほんの少し開かれた扉に歩み寄ったのはマルシル、というのも興味深い。



『オーク』の章でも思ったけど、久井諒子って作家は「壁は壁としてそのまま受け入れ、壊すことも乗り越えることもなく、お互いに窓や扉を捜して見つけ、開けようとする」、そんな作風なのかなって思う。壁とはそのまま各個人の性格や個性、価値観。生まれてこの方、彼・彼女たちが『彼』『彼女』であるために必要なものだから、壊す必要などないのだと。そのかわり、絶対に相容れない部分も描かれるけど。ライオスの趣味とか趣味とか。

「魔物の考えることはよく分からない」と言えるライオスも、魔物に詳しいから言える台詞。理解に苦しむ発言ばかりだけど、さらりと「事実を脚色無く伝えられる」彼はひとかどの人物なのだ。サイコパスだけど。

この物語は、ちりばめられた『適切な距離感』がすごく心地いい。

今日開いた扉は、明日にはまた固く閉ざされて、お互いに「お互いのことが分からない」に戻るとしても、センシのひげがサラサラふわふわになって4人で湖を渡れた事は、決して消えない事実。

3巻は何と出会い、何を食べるのか。とても楽しみな一冊です。




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