<< 強膜炎のこと、2015版 | main | 『ファイブスター物語』13巻 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | - | by スポンサードリンク
『蒼き鋼のアルペジオ』11巻


401vsコンゴウ戦、決着……ついてません!(笑)

前巻、ミョウコウ捨て身の一撃を喰らい、船底に大穴を開け海の底へ沈み行く401のシーンで終わり、11巻はその続きから。ひとまずクルー達は無傷、装備等に支障はなし。ただしエンジン系統に大きなトラブルが発生と通路閉鎖に伴い、機関室のいおりが孤立。苦境が続く中、401に現れた意外な加勢組とは…。


以下ネタバレあります。





↓↓↓↓↓
11巻のメインテーマは『メンタルモデル』のリスクと可能性を、メンタルモデル自身が語る点にあるかな。

メンタルモデルのリスクとは、本来兵器である彼女たちには不要な『感情と意思』ひとつで、戦局が大きく変わる点。確かにミョウコウの執念は401を追い詰め、コンゴウにとって有利な事態にはなっている。

…が、アシガラとハグロの401への加勢行動は、逆に大きなマイナスになる。アシガラ自身も考えてなかっただろう、自分が「こんな気持ちでいたなどと」。

なぜだが知的でありたい願望が強い人の中には、人間の『感情的なるもの』を嫌悪する傾向がある。「感情に振り回され、分を弁えられない行動は愚か、状況を無視し自分の欲望を優先する者は排除対象」なのだと。だとすれば、メンタルモデル達は愚かになりつつあるのだろうか?

そうとは思えない。

『蒼き鋼のアルペジオ』という作品は、『感情を理解し、自分の意思を優先する』メンタルモデルのそれを『進化』と称している。彼女たちにとって、人間とは、感情とは、意思とは。研究対象であり、理解すべき命題であり、新たに克服すべき弱点であり、未知なる未来を示すものなのだと、読むものに教えている。

そのもっとも象徴的なシーンが、ラストのヒュウガの台詞に集約されている。それは兵器の分を弁えつつ『イオナ大好き』の軸がぶれないヒュウガだからこそ言えるもの。

メンタルモデルの危険性を把握したコンゴウとは対照的なそれは、『メンタルモデルを棄てるにしても、コアはあまりにも影響を受けすぎた』故のもの。ヒエイの目をごまかす目的であっても、彼女が話したことは『メンタルモデル』という道を選んだ霧の艦隊の採るべき方向なのかもしれません。


人間側のドラマも目が離せません。海洋技術総合学院に入学する『刑部ハルナ』なる少女、そして彼女を推薦する北管区。「そうくるか!」でした。刑部眞とハルナ・キリシマの会談、そして蒔絵との交流があってこその展開ですが、中央管区はそれを知りません。故の腹の探り合い、そして上陰次官がハルナと接触することで新たな真実の扉が開かれる予感です。

さらに、新たな戦端も。401の新たな脅威となるレキシントンの足止めに、U-2501とゾルダンが接触。ゾルダン、フランセット、ロムアルドの過去や2501との出会いが挿入されつつ、401クルーに負けずとも劣らぬ彼ら三人の強い絆も熱きところ。

レキシントンとニュージャージーとの会話から、霧にとっても2501が「翔像が建造した」潜水艦であること。Z1『レーベリヒト・マース』のコアを使い、本来ならメンタルモデル形成すら不可能なのに、ミラーリンク・システムをコントロールできるなど、その能力に疑念の余地のない潜水艦であることが明かされている。

多くの人間の組織がそうであるように、霧もまたメンタルモデルを得たがために一枚岩の結束が保てなくなっている現実。兵器としての弱みは、彼女たちの新たな道となりえるのか。少なくとも、今は未来は戦いの先にしか見えず、行く手を照らすのは力の衝突から生まれる火花のみ。

かすかで儚い光、薄氷を渡り歩く危うさの中にも交流の種は撒かれ、わずかづつだけど、メンタルモデルと人類との、信頼の層が積み重なっていく。群像が目指す未来ははるかその先。

まずはコンゴウ戦との決着は必要。続きは次巻!



| comments(0) | trackbacks(0) | by LINTS
スポンサーサイト
| - | - | by スポンサードリンク
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://aquavitae2011.jugem.jp/trackback/124
トラックバック