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#純潔のマリア 第1話『完全なる乙女』

↑↑↑純潔のマリア I <特装限定版> [Blu-ray]:2015年3月27日発売予定
金元寿子 (出演), 日笠陽子 (出演), 谷口悟朗 (監督) 形式: Blu-ray








アニメ版『マリア』が先行視聴できる! ということで、バンダイチャンネルに登録しました。しょっぱなサーバダウンかまされてどうなることかと思ったけど、割とすぐ復旧して無事に観る事ができました。





『もやしもん』1巻からの石川雅之ファンで、中世ファンタジーが読める、ということで、原作のマリアは何度も読み返していました。アニメ化の話を聞いて、「どうなのかなあ」と。キャラデザ観た時の「なんだこの棒人間どもは!」な衝撃は、今でも自分的語り草です。

ただ、この『似せる気すら放棄したぜ!』な姿勢が、逆にすがすがしくもあり。また、アニメは『うごいてナンボ』の世界でもあり。何より監督が『プラネテス』の谷口悟郎ということで、期待もしておりまして。去年末、1分程度の予告映像を観て、いい意味で吹っ切れて。素直に「楽しみだー」と言えるアニメになりました。

で。先行1話を観た結果として。


「うん、視聴続行」






第一印象は「よく言えば『丁寧に』、悪く言えば『可もなく不可もなく』」。テンポの問題もあるんだけど、特に前半は「うーん、どうしようかなー」と迷ったのは否めません。しかし後半の合戦シーンで盛り返し。気がつけば何度も視聴していました。

繰り返してみると、演出の意図とか分かりますね。Aパートはマリアとアルテミス、ジョセフとアンの絡みを。Bパートは合戦シーンを重点に、それぞれの立ち位置での視点を絡めてラストでマリアが全てをひっくり返すまで。

特に合戦シーンのぬるぬる動くさまと、ちゃんと格闘戦を描く姿勢にすごく安心したというか。同時に、原作の展開を踏まえていろいろ挿入してくるだろうなって予感もできて、谷口版『純血のマリア』の展開が楽しみだなと。





あ、タイトルにもある通り、『処女』は重要なキーワードっす。台詞でも処女、処女と連呼します。あとサキュバスも登場するのでエロっぽい会話はでますが、基本的に台詞だけなので、そういうシーンが苦手な人も大丈夫なはず…!

もともと全三巻、今月発売の番外編を入れても四巻で終わる物語なので、いくらでも膨らませ方があるんですが。その匙加減を間違えると、すごくヘタレなアニメになってしまいますが、「たぶん、大丈夫かな」って感触を得られただけでも大収穫でした。

むしろ、オリジナル要素では『戦争を望む側』『人間の立場で、神に仕える者』の視点が投入されて、さらに厚みが増しそうで、その点期待。







原作1巻〜3巻。2,3巻は、できれば付録がついた限定版の入手をお勧めします。2巻のおまけはミニイラスト集、3巻は英仏それぞれの視点で見たマリアの絵本です。
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2015年1/7発売。完結した物語の番外短編集です。
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以下はネタばれ感想です。原作にも言及します。ネタばれが嫌な方はご注意ください↓↓↓↓↓



第1話。登場人物と彼らが生きる時代背景の紹介回でもあり、主人公マリアの立ち位置と『処女宣言』の回でもあり。原作をうまく活かしつつこれらの情報がさらりと挿入されてるあたり、実はこの脚本すごく巧いです…!




原作からはアルテミス、アン、ビブ、ジョセフ。プリアポス…は第二回のお楽しみで。あの方もちらりと…?




アニメオリジナルはマーサ(原作では名前だけ)、傭兵のガルファ、イーヴァン、娼婦のロロットが登場。



第1話は原作の第1話相当ですね。ただ、戦場が同じ『川を挟んで』のものですが、原作のは街に続く橋の攻略がメインだったので、その描き込みは圧巻です。興味もたれたら是非読んでください!

しかしアルテミスが指揮官を堕とすOPじゃなかったのか…。これも残念だなw やっぱり肌色要素(おっさんの)はまずいのだろうかどうなのだろうかw




アルテミスとマリアの絡み、ウブな妹をからかって遊んでるお姉さんっぽい。まあ処女だけど。そういえば、アニメのマリアは『呪文らしい呪文』を唱えるのか…と。







ここのブーツの描きこみ(?)、なぜかお気に入り。目が留まったんだよなー。





ジョセフ登場。ひょろい!(笑)。「お願いが多すぎない?」。ここのマリアかわいい!




ジョセフは領主の伝令で、何度もマリアと会っている。で、ここで矢文の意味が。マリアの噂は、フランスイングランド関係なく広がっていると。このジョセフはイングランドの矢だけ回収しているのかな。フランスに有利に働くように。



「敵って…あたし別にフランスの味方じゃないのよ」。言葉通り、彼女は『戦争そのものが嫌い』なのです。そこに国の思惑は関係ありません。そして「人を異端扱いしといて、よくこんなこと頼めるわね」。原作の台詞は『仏軍も恥ずかしげも無く、よくこんな要請を何度も出すわね。本当のキリスト教徒なら、異端審問官と武装兵をよこしなさい』と、もっと強烈。

領主様の伝令も今日で終わり。兵役に戻るという。戦場はロアールの上流。カレーへ続くイングランドの拠点の奪還のために。

「森に住む隠者様」聞いた話。ジョセフの過去に触れたのは初めてだな。原作ではなかった点。

「戦いの無い、神の平和について話を聞いたことがあります。人が争うことなく暮らせたら、それに越したことは無い、と。いつか、そんな世の中を。マリア殿が行っていることは、その世界に通じるものではないかと」

非常に重要なポイントですねこれ。『純潔のマリア』というストーリーを貫くテーマの発端が開示されました。この台詞を、ジョセフに言わせるあたり、周到な脚本だなーと思います。




おや、名前聞いた。うん、原作ではマリアは奥手すぎて名前すら知らない(というか、自分で聞けなかった)間柄でした。

「では」と、帽子を胸に掲げるジョセフ。マリアの手の甲にキスをした後、軽く会釈するとか、けっこう紳士です。というか、後々いろいろこっぱずかしい台詞をブン投げてくるんですが、アニメはどうなんでしょうねーわくわく。





マリアの森の近くにある、アンの村。マーサは名前だけ、お父さんに関しては存在すら分かりませんでしたが、アニメではしっかりアンの家族のことを描いてます。マーサの目が悪いこと、マーサが昔からマリアのことを知ってることとか。

マリアが魔女として有名になったのは、アンが生まれる前の話ですね。アンがマリアのことを知らないのも当然だけど。アンがマリアにはっきり興味が持てるのは、やはり教会の影響がまだ薄いせいもあるでしょうし、マーサの存在も大きかったのでしょう。




アンの動きで、狭くて家畜と一緒に暮らしていた、当時のフランスの貧しい農民の家の構造が分かります。一瞬「高いところから!」と思ったけど、アンの身長、まだ1メートルにも満たないし。




悲しそうなおばあさま。昔のマリアを知っているのでしょうかね。



汗臭いとか言われて、森の泉で沐浴中のマリア。彼女の森には靄のような金の粒のようなものが漂ってますが、あれはなんなんでしょう。


「でも、どうして? なんで、アゴが?」

いいのよ、マリアはまだ知らなくても(’’







Bパートの始まりは、マーサと夫の会話から。兵役に出ねばならない夫の身を案じ、戦争さえなければと嘆くマーサ。免除金さえ払えれば兵隊にならずにすむが、それもままならない。生きて帰れる保障はない。お守りを作ってくれた娘を抱き上げる父親の心情を思うと…




「大丈夫、お父様のことはマリアが守ってくれるから!」
そのマリアが、聖母でなく森にいる方と分かって、父親の表情が曇ります。異端と関わった者を、教会は赦しはしない。彼らは『神のよき子羊』。天の神の御心に従わなければならないと、教えられているのだから。





村の人々は、決してマリアを否定していません。人々の為に薬草を調合したり時に戦場を潰してくれる彼女に、本当は感謝の念があるのです。しかし、彼らの生きる社会が、マリアとのおおっぴらな交流を認めることはありません。

マリアは魔女。そして異端。それは、神の教えの外に生きるものである。神通力を使いこなすことだけが、畏れの対象ではないということ。

だけど、アンにはまだ分かりません。彼女にとって、マリアはかわいい、初めてできた『友達』になれそうな女の子、それ以上でも以下でもないのです。





アルテミス、フクロウバージョンの声はちょっとコミカル。マリアの寝姿は原作ママ。



霧の中の行軍中で、アンのお父さんとジョセフ、そして傭兵のガルファが顔見知りに。ガルファがジョセフの鎧に目をつけ「いえ、借り物です」と答えたジョセフ。その後のやり取りも『これからの縁』を感じさせるものでした。



この3ショット、面白いですな。百戦錬磨のガルファ、初めてながら兵隊の訓練は一通り受けているジョセフ、そして昨日は農民だったアンのお父さん。歩き方ひとつで、戦争の経験者かそうでないかの描写ができるのかと。


傭兵相手に敬語を使うジョセフに、ガルファは「変わってる」。うんそうだよな。魔女に告白するどころか、天使に●●●したりするんだもん、そりゃあ変わってるよなw

ジョセフ達が立ち去った後の、「あんなの、もう死んだも同然だ」と侮るガルファ。笑い声は嫌いじゃないよ、うん。






おお、ビブもう登場か! 原作では2巻までお待たせだったけど、早い! 




ビブはイングランドの魔女。ウィンチェスターがスポンサーについてますが、陣営に忠誠なぞ持っていません。


ビブを初めとする魔女達の依頼主は、主に権力者達。魔女を異端と迫害する一方で、彼女たちの魔力を利用し、自分たちの益になることを求めます。Aパートでマリアが言っていたあれですね。

『純潔のマリア』での、魔女と権力者と信仰の構造は、ちょっと複雑で分かりにくいかもしれません。

ただ、基本的に魔女達に愛国心は希薄で依頼主にフランスもイングランドもなく、『金を払ってくれればどっちでもOK』というスタンス。迫害をしながら力を利用する『人間』という存在に、国は関係ない模様。

彼女たちはもっぱら敵側にサキュバスを遣わせ、夜の間に兵士たちを疲弊させて戦力を削ぎ、均衡を崩して依頼主の陣営を勝利させるという方法を使っています。魔力に個人差はあったり、強力な魔力を使える魔女もいて他の方法も使えるのですが、ある理由で『なるべく目立たずこっそりと』で仕事に励んでいます。

人や国の思惑はありますが、ひとつはっきり言えるのは「彼女たちにとって戦争は『飯の種』。無くてはならないもの」なのです。





ついでに言うとビブは奔放な魔女で、原作では他の魔女が遣わしたサキュバスの相手を「あんたいい男だし上手そう、サキュバスなんかもったいない」と寝取ってしまうシーンも。アニメでは…うーん、期待していいかなーどうかなー。







「えっ!」
と思うシーンから戦端は開かれる。今回、防戦はイングランド、攻撃はフランス。雨あられとふる矢を盾で凌ぐ。いやあ、このイングランド人の射撃の動きがすごく良くて!




戦闘シーンは、とにかくぬるぬる動く動く。動くだけじゃない、各人の描写がしっかりできてるから余計に冴える訳で。震えることしかできない農兵、手馴れたイーヴァンやガルファの戦い方、新兵ながらも動きのいいジョセフ。鎧兵に当たった矢がガッと跳ね返ったり、鎧に当たった槍斧をガツッと跳ね返して反撃したり、細かい描写を重ねての緊張感をあおる手法がうまくはまってますね、何度も観かえしてしまいました。








何が一番燃えたって。

敵も味方も、武器が鈍器と長槍と弓矢がメインじゃん! 長剣じゃねえ! ってあたりハアハアポインツでしたと個人的に!






もちろん『剣は使わない』んじゃなく『使いどころをわきまえて使ってる』という点も面白かったですね。ガルファの目的でる金儲けの手段(裕福そうな兵士を捕らえ、身代金をせしめる)もここで『説明』。うまいです。




「借りは返しましたよ」
アンのお父さんをきっかけに、ガルファ、ジョセフの縁が何度も重なっていく。さりげなくも粋なシーン。っていうか、アンのお父さんにも名前つけてあげましょうよー。『アンのお父さん』の繰り返しじゃ長くなるよー(笑)。




ここまでの展開で、戦の手法も分かります。まずは弓矢で遠距離戦、盾で防ぎながらの進軍、防柵挟んでの槍戦、それを越えれば格闘戦メイン、そこに騎馬が突っ込んで敵を蹴散らす、というパターン。足場がぬかるんでいると、馬での進軍が遅れる。だからフランス側の騎馬隊が遅れてしまったという理由。






ここでジョセフ達の命運が果てる…と思いきや。






うん、知ってた。ほんとにヒドイな!(誉め言葉)

原作でもたいがいやと思ってたけど、声ついて動くとヒドさが増すな!(爽) 

両軍、戦争どころではなく撤退、ジョセフとアンのお父さんは無事に帰還することができました……が。『めでたしめでたし』で終わらない点が、この『純潔のマリア』の肝。




イングランド兵達の言うとおり、マリアは魔法で戦いを『解決』せず、『うやむやに終わらせる』だけ。そして全ての兵士が、戦の終わりを望んでいない。「争いを見るのが嫌だから」止める。その極めて個人的な感情、嫌いじゃない。

しかし、戦場そのものが消えて困る人々がいるのも確か。傭兵達はマリアに苛立ち、魔女たちは稼ぎがパーになったと怒る。魔女マリアの『願い』は、必ずしも正しいものではない。

原作では登場しない傭兵キャラや娼婦キャラ(一応傭兵は登場しますが、名前が無く一方的な存在としてのみ)を出してくる、ということは、人の世界の様々な『正義』を描くつもりなんだろうとは思いますが、それは後の展開の楽しみとしておきます。




そして、全員解散した後で発表される、『マリアは処女』。なんどでも言います。マリアは処女です。これが今後のキーポイントになります。テストに出ます!

サキュバスに「めんどくさい」と言われてキレるマリアだけど、でもこの話の根本は。百年戦争が云々とか、神と魔女の対立云々ではなく。

『女の子って、こんなにもこんなにも、こーーーんなにもめんどくさい生き物なんです!』

…ってのが解ればいいと思います!

ああそうだね、このドラゴンけしかけたのも、結局ジョセフの態度がはっきりしてなかったからだね! ほんとヒドいアニメになりそうだ!(誉め言葉) 

とまあ、第一回目はひとまずほっとしたところ。「まあ、これからだよね」と、大目にさっぴいてはいますが、おおむね良好です。


もっとも、懸念があるのも正直なところ。その最たる部分は

『自分の価値観を押し付けないでよ』

と言うアルテミスの台詞が、小骨のようにひっかかりました。というのも、これ、原作では誰も口にしなかった台詞だからです。

最初「いくら口達者な使い魔が、主人にそんなこというかなあ」と、ちょっと疑問に思いましたが、そうではないと。作品全体の仕上がりの方向を示す、象徴的な台詞だと受け取っていいのかもしれないと考え直しまして。

マリアのお話はそれこそ『マリアの価値観』が主題。マリアが何を考え、その考えを元にどうするのかが肝でした。ミカエルとの経緯でもがくうち、自分で考え、自分で気づき、『あのラスト』に至るわけで。

後の展開では、ビブやミカエルは自分の考えでマリアに意見します。しかしだれもが「自分の価値観を押し付けるな」と言う、安易な台詞は言わなかった。その代わり、彼らは彼らの『言葉』で、マリアに“お説教”を垂れたのです。


『自分の意見を押し付けるな』。



便利な言葉です。強い主張を持つ者へ、手早く反論できて、自分に非の無い立場から石を投げられる。だから、すごく、その『便利さ』『安易さ』が鼻についたのかもしれません。

監督からしてこのアニメ化が拙速な結論や、ただの否定しあいにならないことは理解していますが、やはり原作のストイックな世界観に気を遣って欲しいなと願ってやみません。


ともあれ、次回がどうなるかですね。



次回から登場、インキュバスのプリアポスくん……あの会話が声付きで展開されるのか…(頭抱え)










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